宮本輝を読む
ここ3ヶ月、宮本 輝の小説を立て続けに読んでいる。前から気になっていた小説家だったのだが、近くの図書館にかなり揃っているのが目に入り、有名な「蛍川」(芥川賞)から読み始めた。これまでに読んだ本は
- 蛍川
- 泥の河
- 共に山本有三の「路傍の石」などを思い起こさせる思春期直前の感受性豊かな少年の眼差しが初々しい。
- 名馬の血統を縦糸に、思春期から成長していく青年と馬主の娘との交流。
- 始めて得た可愛い息子、真剣に向き合おうとして弾みでその命を落とさせてしまい、愛と信頼と家族を失った男。地中海、ギリシャの人々の中で少しずつ何かを取り戻していけるか・・・
- 突然の母の出奔。長大なドナウの流れを下りながら母と娘と、恋人と生きることの意味を探りあう。
- 雪の降る直前に蜘蛛が自分が紡ぎだす糸にのって冬空に飛んでいく。自分も飛べないでいるそんな蜘蛛を見たことがある。人は社会の色々な人々との交わりの中で生きていく。生きていくこと、愛することの意味。
宮本輝の小説は、ごく普通の善人たちが登場し、この世に生を受けた証を求め、真摯に生きようとする姿を一貫して我々に示してくれているよう。今時、このような古典的なスタイルは流行らないのかもしれないが、健全な社会を維持発展させていく上ではこのような小説で人間の大切なもの、失ってはならないもの、伝えていかねばならないことなどを数多く語られていくことが大切なのではないだろうか?
トラックバック URI : http://www.kisas.co.jp/wp-trackback.php?p=107
コメント (0)